天赦日とは何ですか?
日本の暦に掲載される一日ごとのお日柄の吉凶占いで、最上の大吉日と解説されることが多いのが「天赦日」です。
百神が天に昇り、天が万物を赦(ゆる)日なので、今まで迷っていて挑戦できなかったことに挑戦したり、何事を始めるにも良く、何の障害も起こらない日とされています。
とは言え、そこまで縁起のいい日だと言われると…
「そもそも、なんで、天赦日は、最高の吉日なのか」
とか、
「天赦日は、どういう決め方をしてるのか」
とか、
「天赦日にしてはいけないことはあるのか」
などなどが、気になってしまうのも、よくあることですよね。
そこで、ここでは、天赦日について深堀りしてまとめています。
まずは、天赦日に、一般的に言われている「するといいこと」について知りたい方は、以下をどうぞ。
天赦日の決め方や、そもそも、なぜ、天赦日は吉日だと言われるのか、その理由について知りたい方は、こちらです。
また、2023年の具体的な天赦日について、他の占いも含め、
- 本当にいい日なのかどうか
- してはいけないことはないのかどうか
などを知りたい方は、以下の項目にまとめてありますので、こちらをご参照下さい。
2023年の天赦日は、以下の6日です。
天赦日の読み方は「てんしゃび」または「てんしゃにち」です。
天赦日にするといいこと
天赦日は、最上級の吉日なので、何をするにも良い日なのですが、その中でも、特に「するといい」と一般的に言われているのは、以下のような事柄です。
- 結納・入籍・結婚する
- 新規開店・開業をする
- 財布を買う・使い始める
- 宝くじの購入する
- 出生届けを提出する
- 引っ越しする
- 神社にお参りする
逆に、天赦日に「してはいけないこと」としては、一般的には、犯罪や浮気、大金をかけてのギャンブルなどが挙げられることがあります。
いくら天赦日が「万物を赦(ゆる)す日」だと言っても、どんなことでも許されるわけはなく、やっぱり、限度はある…というわけですね。
ただし、一般的に言われている「天赦日にしてはいけないこと」は、別に天赦日じゃなくても、どちらかと言えば、しない方がいいような事柄ばかりです。
2023年中の具体的な天赦日について、ほかの吉日占いも含め、
- 本当に良い日なのかどうか
- してはいけないことはないのかどうか
などについては、以下でまとめてありますので、より突っ込んで調べたい方は、こちらをご参照下さい。
天赦日の決め方
天赦日は、節切りと、十干と十二支の組み合わせによって決まります。
節切りとは、「立春から、立夏の前までを春」とするような季節の区切り方を言います。
一年を節切りで区切った上、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせ、つまり、干支(えと)が以下のようになった時に「天赦日」になります。
春(立春〜立夏前日)戊寅の日
夏(立夏〜立秋前日)甲午の日
秋(立秋〜立冬前日)戊申の日
冬(立冬〜立春前日)甲子の日
十干と十二支の組み合わせは、全部で60通りです。
1年は、365日あるので、365を60で割れば、天赦日は、年間6日くらいになることがわかります。
例えば、2023年の天赦日は、以下の通りです。
- 1月6日(金)冬の甲子の日
- 3月21日(火)春の戊寅の日
- 6月5日(月)夏の甲午の日
- 8月4日(金)夏の甲午の日
- 8月18日(金)秋の戊申の日
- 10月17日(火)秋の戊申の日
なぜ天赦日は縁起が良いの?
では、なぜ、天赦日は、最高に縁起が良いと言われるのでしょうか。
その理由について、天赦日の由来から考えてみましょう。
そもそも、天赦日など、60種類の干支(えと)を使った吉凶占いは、陰陽五行説に基づいています。
陰陽五行説は、万物は、相反する陰と陽に分けられ、さらに細かく言えば、木・火・土・金・水の5要素(五行)で構成されている、と考える思想です。
木・火・土・金・水は、5つ並べて、木火土金水(もっかどごんすい)と読まれることもあります。
そして、この五行の相互間には、以下のような相生(そうじょう)と、相剋(そうこく)と、比和(ひわ)の関係があります。
上記のように、相生は、一方が一方を生むような関係で、相剋は、一方が一方に打ち勝つような関係です。
そして、最後の比和は、同じ気が重なり、その気が、ますます盛んになるような関係です。
「ますます盛んになる」と言っても、良い場合は、さらに良くなり、悪い場合は、さらに悪くなります。
さて、干支による吉凶占いでは、60種類の干支が、各日にちに割り当てられており、さらに、それぞれの干支は、五行へも配当されているので、その関係性を見ながら、吉凶を読み解いていきます。
この中で、天赦日は、相生(そうじょう)と、相剋(そうこく)の関係の中庸を得るような日取りです。
中庸は、ちょうど真ん中で、どちらにも偏っていないような状態を言います。
どこにも偏りのない中庸の日なので、天赦日には、何の障害も起こらない、というわけです。
天赦日は「百神が天に昇り、全てをゆるす日」と説明されることがよくありますが、別の見方をすると、どこにも偏っていないバランスの取れた日であることを、物語風に説明しているとも言えます。
天赦日と一粒万倍日が重なることもある
天赦日は、何かを始めるのに良いと言われる選日の「一粒万倍日」と重なることもあります。
一粒万倍日は、天赦日のような吉日と重なれば、その効果が増す、と言われているので、天赦日と一粒万倍日が重なるような日は、最強の開運日となります。
このような最強開運日は、芸能界でもよく活用され、最近では、以下のような芸能人が、デビューや結婚の日に、天赦日と一粒万倍日が重なる日を選んでいます。
- ジャニーズWESTデビュー日
- 河北麻友子さん結婚発表日
- 夏菜さん入籍日
- フジテレビ三上真奈アナ入籍日
- ジャンブルポケットおたけさん入籍日
天赦日は仏滅と重なることもある
最上の吉日の天赦日が、六曜の凶日の仏滅と重なることもあります。
お日柄の吉凶占いでは、日本で最も有名な六曜ですが、万事大凶と言われる仏滅が、ほかの占いの吉日と重なることは、けっこうあります。
六曜の吉凶判断が、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6種類しかなく、しかも、それが、ほぼ順番に繰り返されるからです。
仏滅と大安は、多くの人が知っていて、その日の吉凶判断が簡単できる、というメリットはあるものの、六曜の歴史的背景には、不明な部分も多く、信憑性にかけるため、伝統風水では、吉日と仏滅が重なったとしても、特に、気にしないことが多いようです。
天赦日にしてはいけないこと2023
天赦日は、最上の吉日なので、してはいけないことは、ほとんどないのですが、暦をさらに詳しく見ていくと、別の項目では凶日となっている場合もあります。
これは、占い方が変われば、同じ日でも、凶日になることがあるためです。
そこで、ここでは、2023年中のそれぞれの天赦日についての吉凶を、暦中段の十二直や、占星術に基づく二十八宿を含め、まとめてみました。
各天赦日の「してはいけないこと」については、風水で擇日(たくじつ)と呼ばれる「日取りの仕方」を使って、1日ごとの吉凶をまとめた「通書」からピックアップしています。
通書は、中国、台湾、香港で、ロングセラーになっている日選びのための百科事典のような書籍です。
ただし、ほかの占いまで、詳細に見ていくと、「全ての占いにおいて、吉日となる日」というのは、ほとんどありません。
なので、「日の吉凶を細かく知ってしまうと、それが気になり、かえって混乱する」という方には、おすすめできません。
あくまで、自分が活用しようと思っている天赦日が、ほかの占いでは、どういう日になっているのかを、知りたい方だけ、以下をご覧下さい。
1月6日(金)天赦日 一粒万倍日 甲子の日
2023年1月6日の天赦日は、一粒万倍日や甲子の日と重なるトリプル開運日です。
甲子の日は、60日周期の「十干十二支」の最初の日で、縁起の良い吉日とされています。
また、金運や財運、商売繁盛のご利益がある七福神のお一人、大黒天のご縁日でもあります。
ただし、暦中段の十二直では「閉」(とづ)になっているので、動きが止まり、あまり良い日ではありません。
逆に、二十八宿の方は、万事に大吉で、二十八宿中最大吉の「鬼」(き)になっています。
通書では、凶神に、血支(けつし)、血忌(けつぎ)が出ているので、鍼灸、耳鼻科、眼科に行くこと、耳掃除などが、してはいけないことになっています。
3月21(火)天赦日 一粒万倍日 寅の日 春分の日
2023年3月21日の天赦日も、一粒万倍日に加え、さらに、寅の日までも重なるトリプル開運日です。
ただし、凶日では、建築関係には縁起が悪いとされる三隣亡が重なっています。
3月21日の十二直は、1月6日と同じ「閉」(とづ)なので、あまりいい日ではありませんが、二十八宿でみてみると、祈願始めや、婚礼などには吉の「室」(しつ)になっています。
通書でみてみると、凶神に、血支(けつし)のほかに、遊禍(ゆうか)も出ているので、耳鼻科、眼科をはじめ、医者に行ったり、薬を決めたりするには、いい日ではありせん。
特に、医者に行かない方がいいとされる遊禍(ゆうか)は、天赦と重なると、その効果が強くなる、という凶神です。
6月5日(月)天赦日
2023年6月5日の天赦日は、ほかの吉日や凶日との重なりはなく、六曜では、お葬式は避けたほうがいいとされる「友引」です。
十二直は、医者のかかり始めや、薬の飲み始めに良いとされる「除」(のぞく)で、二十八宿は、引越や旅行に吉とされる「心」(しん)になっています。
除(のぞく)も、「心」(しん)も、吉日でも凶日でもありませんが、どちらも、結婚だけは凶になっています。
さらに、通書の方を見てみても、凶神に、結婚式の日には良くないとされる感池(かんち)が出てるので、6月5日は、天赦日ではありますが、結婚関係は避けておいた方がいいかもしれません。
8月4日(金)天赦日 一粒万倍日 大安
2023年8月4日は、天赦日に加え、一粒万倍日と大安が重なるトリプル開運日です。
ただし、建築関係では縁起が悪いとされる凶日の三隣亡も重なっています。
暦の十二直の方でも、動きが止まるという「閉」(とづ)になっているので、あまり良い日ではありません。
ただし、二十八宿の方では、よろず良しで、吉祥宿の「牛」(ぎゅう)になっています。
さらに、通書の方でも、吉神に、上吉とされる天徳(てんとく)と月徳(げっとく)に加えて、婚約や結婚に良いとされる母倉日(ぼそうじつ)も出ています。
通書の凶神では、血支(けつし)が出ているので、鍼灸、耳鼻科、眼科に行くこと、耳掃除などが、してはいけないことになっています。
8月18日(金)天赦日 不成就日
2023年8月18日は、天赦日ながらも、凶日の不成就日とも重なっています。
不成就日とは重なってしまっているものの、暦の十二直と二十八宿は、どちらも吉日です。
十二直の方は、柱立て、棟上げ、開店、新規事業の開始、結婚、旅行などに良いとされる「建」(たつ)。
さらに、二十八宿にいたっては、二十八宿中、最大吉の「鬼」(き)になっています。
ただし、通書では、必ず避けるべき凶神の月建(げっけん)と重なっています。
月建は、天赦と重なると、多少の凶は、解除されるので、あまり、気にすることはないかもしれませんが、神社にお参りに行ったり、部屋を掃除したり、建物をリフォームしたりするのは、あまり、おすすめではありません。
10月17日(火)天赦日 大安
2023年10月17日は、天赦日と、六曜で最大吉の大安が重なるダブル開運日です。
十二直は、建築、移転、婚礼、開店などに全て吉の「開」(ひらく)で、二十八宿は、種まきや耕作始めに良いとされる「翼」(よく)になっています。
通書では、厭対(えんたい)や、五離(ごり)の凶神が出ているので、旅行、遠出、帰省、引っ越し、友だちと会う、結婚などが、してはいけないことになっています。